「竜馬がゆく」の「竜馬が」も、「樅の木は残った」の「樅の木は」も、「ぼくはウナギだ」(ぼくが注文したのはウナギだ)の「ぼくは」も、どれも同じ主語だろうか。学校文法はそう教えてきたが、そのため文法をまるでつまらぬものにしてしまった。本書は、日本語独自の構造に根ざした方法によって構文の謎に大胆に迫っていく。日本語の奥の深さを実感させ、日本語がますますおもしろくなる一冊。