豊川市に本店を構える地銀・稲荷銀行のオーナー兼理事長・高遠金造は、金儲けを志した65年、83歳の現在に至るまで、守り神と信じる豊川稲荷の早朝参詣が日課だ。そんなある日、金造の自宅に、金造が死んだのでは、という問い合せがくる。電話をとったのが当の本人なのだが、相手はどうしても信用しないのだ。これが取付騒ぎの発端だったのだが…。表題作他、傑作オリジナル作品集。