ラニュッチ逮捕から、2年。世論はヒステリックなまでにこの残虐な少女殺しの「犯人」に死刑を宣告していた。重罪公判(陪審)が開始。裁判長による自白調書の朗読と接触事故現場からラニュッチを追跡したオーベル夫妻の証言が有罪を決定づけてしまう。ラニュッチに有利な証言がことごとく無視され、死刑の評決が下された。唯一の物証「赤いセーター」とラニュッチを結びつけるものは本当にあったのだろうか。もはや救いの途はないのか。事件は最悪のクライマックスを迎える。