芋、麦、米、黒糖…さまざまな原料から生み出される本格焼酎、その味わいは常圧、減圧などの蒸留方法、黒麹、白麹、黄麹などの麹菌などによってさらに深みを増し、バラエティ豊かなものとなる。芋焼酎の甘み、米焼酎の透明感のある味わい、黒糖の濃密な香りなど愉しみは尽きない。一方沖縄で育まれた泡盛はタイ米、麹菌も黒麹のみでつくられる。しかしながらその新酒はそれぞれに個性があり、さらに瓶に入れたままでさえ熟成が進む=「瓶内熟成」する不思議なパワーを持っている。そして3年以上寝かせた泡盛は古酒(クース)と呼ばれ、やがてバニラやチョコなどの甘い芳醇な香りを漂わせる銘酒へと昇華する。いずれにしても日本の風土と気候が生み出した「焼酎」「泡盛」は日本を代表する、そして世界に誇れる蒸留酒である。この2つの蒸留酒の広く、奥行きのある世界を堪能できる幸福を伝えたい。焼酎・泡盛BOOK。