カラリと晴れて快いこと。文章がそなえるべき美質のなかで最も大切な徳。世に湿った名文、模糊たる悪文の数は知れない。本書はきわめてさしさわりのある本。かつて論じられざる大家の悪文をあえて例示、文章論議を作家の独占から解放。これほど達意爽快な文章案内は類がない。