「あなたは、何でも善くご存じですのね-」。その女は京極堂に向かって、赤い唇だけで笑った。憑き物を落とすべき陰陽師さえ、科学者・美馬坂幸四郎の抱いたあまりに禍々しい夢を前にして、自分の封印した過去に直面させられる。そして訪れる破局…。第49回日本推理作家協会賞受賞の超絶ミステリ完結。