「私を-たすけてください」。古本屋京極堂にして陰陽師の中禅寺秋彦が刑事の木場、探偵である榎木津を前にして解き明かす久遠寺家の「血」。呪われた真相は卑劣漢・内藤を恐怖のどん底へと叩き込み、文士・関口の自我を根底から揺るがす。そして京極堂はいう。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」。