公害は被害に始まり被害に終わる。被害の全貌を明らかにすることが公害を全面解決する前提である。いかに大企業や政府であれ水俣病被害を永遠に押し隠すことは絶対にできない。二〇〇四年一〇月一五日の水俣病関西訴訟最高裁判決を機に、この一年で約三〇〇〇人が水俣病の認定申請をした。水俣病は終わっていない。この本は、水俣病問題の解決の道筋を事実にもとづいて明らかにしている。