西洋芸術音楽の主要形式「フーガ」と「ソナタ」の性格の違いを、J.S.バッハとベートーヴェンの作品を中心に考察した、類を見ない著作。2つの形式が止揚されたものとしてブルックナーを位置づけている点もユニーク。豊富な事例を通じ、ひとくちに「主題」と括られるものにひそむ多様な生命を、情熱的な筆致で浮き彫りにする。