林晋一郎は、幼いときの事故で声を失ってしまった17歳の少年。幼なじみの中垣内真理香と手話で会話をする以外、パソコンと編み物に熱中する毎日だ。「晋一郎。あたし、今はまっている作家の日記、読んでみたい」『それは、長いのとおもしろいので有名なんだ。作品より日記のほうがおもしろいとか-』「殴るよ、マジで!」そんな時、二人はインターネット上の日記で『誘拐事件』のSOSらしきものを見つけた。真理香は晋一郎を焚きつけ、事件解決に乗り出すが…。微妙な関係の二人が紡ぎ出す、心ふるわせるロマンティック・ミステリー。