アイルランドからニューヨークへ、またひとつの家族が夢を求めてやってきた。一家の新居は麻薬常習者や移民の住みつくハーレムのぼろアパート。生活はたえず苦しかったが、家族は仲良く、クリスティとアリエルの姉妹にとって毎日が魔法のような驚きと輝きに満ちていた。だが、表面上の明るさとは裏腹に一家は大きな悲しみを抱えていた。それは末息子フランキーの死。その悲しみを断ち切るためにアメリカにやってきたというのに、夫婦の傷は癒えることはなかった。やがてサラが妊娠、一家は同じアパートに住む謎の画家、マテオと知り合う。どこか預言者めいた彼は「赤ん坊が幸せを呼ぶ」と言うのだが…。愛する者を失った悲しみ、それでも生きようとする者たち。心から泣ける愛と希望と再生の物語。