自分よりもはるか年若い霧子を理想の女に変貌させるべく、ひたすらに愛を注ぐ秋葉。その献身を受け入れながら華麗に成熟、化身していく女。-霧子に訪れる新しい旅立ちを見守りつつ、とまどい揺れうごく男。愛しあいつつも、歳月とともに垣間みえてくる男と女の本音と、性の深淵を描き、現代の愛の小説の頂点をきわめた渡辺文学の代表的長編小説。