二十世紀のアメリカを代表する哲学「プラグマティズム」の立場にたつ思想家G.H.ミード。彼はとくに、その独想的な自我論やコミュニケイション論などによって、哲学はもとより、心理学や社会学の領域においてもひろく知られてきた。ルネサンスからカントやヘーゲル、さらにマルクスに至る「十九世紀の思想のうごき」を、科学的探究を基層に据えて斬新に展開した。