夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。5年生の見晴は近所の鉄塔で番号札を見つける。その名は"武蔵野線75‐1"。新発見に胸を躍らせた見晴は、2歳下のアキラを誘い、武蔵野線を遡る。「オレたちは鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」-小学生の頃、誰もが抱いていた気持ちを見事に描き、未知の世界を探検する子供心のときめきを見事に描き出した"鉄塔小説"。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。1997年映画化作品。著者が思いの丈を詰め込み、本当に望んでいた「完全版」に改編。鉄塔 武蔵野線1号から81号まで計500枚以上の写真を掲載し、幼き日の美しい思い出を遡る。