• 著者清水一行
  • 出版社角川書店
  • ISBN9784041463680
  • 発行1990年4月

ふてえ奴 上

明治末期、高原陽平は勇躍上京した。金沢の片田舎で、おとなをしりめに11歳で税務署の臨時職員試験に合格、神童とさわがれ、18歳で難関の専検をパスしての出郷であった。唯一の知人をたずねたが、その本田辰五は、なんと詐欺罪で手配中の身、途方にくれる陽平を、みかねた巡査が、居候先を世話してくれたが、その夜童貞を喪失、波瀾の第一夜となった。勃興期の明治大正の東京を舞台に自らの運命をつかみとる風雲児高原陽平。土地っ子の作者が、下町人情の機微を巧みに配して描く青春長編。

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