ヨーロッパの名は美女エウロペーに由来する。ウエロペーにはぐくまれたヨーロッパは、また著者にとっても精神の母胎であった。昭和45年、その"眷恋の地"へ著者は初めて旅立った。かねてから心ひかれていた城、庭園、都市、美術館などを求めて、フランス、スペイン、イタリアと足をのばした後ヶ月の滞在は、視る喜び、味わう楽しみにみちた旅であった。当時の印象を中心に編まれた紀行集。