息子を呼びもどしてほしいという、富豪グリーンリーフの頼みを引き受け、トム・リプリーはイタリアへと旅立った。息子のディッキーに羨望と友情という二つの交錯する感情を抱きながら、トムはまばゆい地中海の陽の光の中で完全犯罪を計画するが…。精致で冷徹な心理描写により、映画『太陽がいっぱい』の感動が蘇るハイスミスの出世作。