祈りは叶わなかった。子どもが生まれたわずか三ヶ月後に東由多加は命を落とした。もはや瞬きをしなくなった瞼、息をしなくなった唇…。それから四十九日間、死者があの世に旅立つ日まで、空白は空白のまま、不在は不在のまま、血を流すため、囚われるため、沈黙するために、書き続けられた葬送と鎮魂の最終章。