「裏日本」とは本州の日本海地域、とりわけ北陸・山陰をいう。そして、この呼称は単なる自然地理概念ではなく、20世紀初頭、「表日本」に対するヒト・モノ・カネの供給地とされていくなかで成立し、定着したのである。歴史の実相をたどりつつ、「裏日本」を必然とした日本の近現代を問い直し、二一世紀に向けての視点を考える意欲作。