秋艸道人・会津八一(1881‐1956)はその晩年、歌集『鹿鳴集』に自ら註を付すことに没頭した。本書は、美術史家・書家にして歌人八一の全生涯を凝縮した自己表現の書であり、古都逍遙の格好の手引きともなろう。