妻に、子どもに、父母に、恋人に――最後に伝えたかった大切なこと
激戦地で日本軍将兵が書き遺した「小さな言葉」が60年の時を越えて、あなたに語りかける
第2次世界大戦の激戦地に日本軍将兵が遺した膨大な手紙や日記、手帳が見つかった。60年の時を越え、彼らが伝えたかった言葉は遺族のもとに届くのか?僕たちは間に合ったのだろうか? NHKハイビジョンスペシャル『最後の言葉~作家・重松清が見つめた戦争~』で話題を呼んだ感動ドキュメンタリー。
私は困惑した。当然、喜んでもらえると思っていたからである。戦争を知らない若造の出過ぎた行為だったのか。「ハイって渡されて感動する、そんな簡単なものじゃなかと。何せあれから60年もたっているけんね」――<第1章より>