『半七捕物帳』をはじめ、江戸のおもかげを今に伝える岡本綺堂の名作の数々は、江戸を知る生きた資料としても名高い。江戸城内の習慣、岡っ引きの給料、芝居見物の段取り等々-本書は、その軽妙な語りで江戸の生活の実情を描いた『風俗江戸物語』に、同時代であった明治の東京の市井風俗を活写した『風俗明治東京物語』を合本とした、綺堂版江戸東京事典。