死んでから作家となった書き手がつづる、とんでもなくもおかしい、かなしくも心いやされる物語。カバにさらわれ、始原の世紀へとさかのぼった書き手がそこで見たものは…。ありふれた「不倫話」のなかに、読者をたぶらかすさまざまな仕掛けが施される。南米文学の秘められた大傑作。