つましく暮す一家の希望は、一旗あげて郷里に帰ってくるはずの父の弟、"ジュール叔父"だった。が、ある年の家族旅行中見かけた牡蛎むきの老人こそ…。裏切られてしまった唯一の希望を一種のユーモアをまじえて描いた『ジュール叔父』他、作者の郷里ノルマンディの漁夫と小市民、農夫たちの生活の中にあらわれる人間心理の内面を、作者特有の鋭い観察を通してえぐり出す傑作短編集。