愛に溢れているはずの夏芽の腕に、誰かに殴られたような痣があった。彼女の恋人・俊介は、別の女・奈緒子の家に足繁く通っている。奇妙な三角関係の真ん中で、為す術もなく一人立ち尽くす音海。そして兄の死の真実が明かされるとき、傷つけ合いながらも、愛することから逃げられない人々の哀しさを知る。書き下ろし隔月刊行シリーズ、完結。