弱者を利潤追求のタネにする宇都宮病院のでたらめぶりは、1984年3月に発覚した二つのリンチ怪死事件によって、内部の日常的暴力・患者の奴隷労働・院長一族の法人私物化などで次々と明らかにされた。本書では、その実態を詳細にルポする一方、良心的な病院が解放病棟で、患者の社会復帰をも含めた治療の道を探りつつある動きを紹介し、精神病棟の未来図を描く。