奔る光芒。凍るような刀身にも似た銀の軌線。光は男の胸を貫いて駆け抜けていた。男の身体から鮮血がしぶいた。男を倒したのはセーラー服姿の少女だ。しかし顔には般若の面。少女の口から、笑い声が漏れた-。千年も生きている現代の鬼、聖と弓生は鎌倉にいた。鎌倉に派遣されていた"本家"の陰陽師が三人も殺されたからだ。犯人は般若の面をつけているという。聖と弓生には、その般若の面に心当たりがあった。二百年前の哀しい思い出。二人が始末しそこねた般若の面なのだ。意気込む二人だが、二人には、別の使命もあったのだ…。