代表作「築地明石町」などにみられるように、鏑木清方(1878‐1972)の画は、明治の東京の庶民生活を描いて他に類がないといわれるが、彼のエッセイもまた、江戸や明治への郷愁を誘う美しい小品として忘れられない。「銀座回想」「明治の東京語」など38篇を精選。