• 著者宇野浩二
  • 出版社岩波書店
  • ISBN9784003106815
  • 発行1989年12月

苦の世界

情にもろく貧乏で意気地なしの無名の画家を主人公とし、わがままでヒステリーの芸妓上りの妻との交渉を、軽妙な饒舌体で描いた自伝的作品。二人を囲む人物もみな善良で不幸な人びとばかり。人間の愚かさと悲しさをユーモラスに描いたこの作品は、『蔵の中』とともに作者(1891‐1961)の出世作となった。

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