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  • 著者渡部昇一
  • 出版社講談社
  • ISBN9784061588141
  • 発行1988年1月

秘術としての文法

比喩をもって言えば、新言語学は化学であり伝統文法は薬学である。化学者は病人をなおせないが、薬学者は病人をなおす薬を提供する。伝統文法は読解力を飛躍的に向上させ、新しい知性をひらき、時空を超越した世界へわたくしたちを運んでくれる秘術的な力をもっている。また、言語は社会のありかたと係わり、習慣であると同時に規則であり、理論と習慣の折り合いをつけるという意味で、伝統文法は経験と英知の学と言うことができる。

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