「私の卓抜な推理によれば、これは、まさしくまぎれもない完全なる殺人事件であります」-サハリンへと向かう豪華客船の甲板に残された遺書と赤く染まった靴。偶然居合わせた北杜夫氏は、探偵役を買って出たが、推理すればするほど、真相は迷宮のかなたへ…。「にっぽん丸殺人事件」はじめマンボウ氏が遺した爆笑のユーモア・ミステリー。初文庫化。