大正から昭和にかけ、女流俳句の先駆者として俳誌「ホトトギス」で活躍した天才的俳人・杉田久女は、昭和11年、敬慕する師・高浜虚子から突然、同人を除名された。俳句を芸術として取り組み、17文字に生命を賭けていた久女は以来、不幸な運命を辿る…。かずかずの艶麗な句を遺しながらダークな伝説にまみれた悲劇な人・久女。芸術と家庭のはざまで、懸命に生きた"早すぎたノラ"の真実に迫り、新しい久女像を創造する。悲劇の女流俳人を描く書き下し長編。