清朝崩壊後、日本軍が興した「満州国」の傀儡皇帝となった溥儀。三たびつかみとった皇帝の座は、しかし日本の敗戦とともに虚しく崩れ去る。待っていたのは、中華人民共和国による、戦犯としての長い「改造」期間だった。第2次大戦後、一個の人民へと急転した溥儀の、国家との、そして自己との戦いが克明に描かれる。