いまこの瞬間も、何処かで誰かが恐怖を体験している。信じがたい怪に遭遇している。体験者にとっては生涯忘れえぬ記憶となるであろうその大事件は、残念ながら表に出てくることはほぼない。体験者の心のうちに留められるか、ごく親しい者たちの間で語られるだけで終わってしまう。夢や錯覚として片づけられ、消されてしまうことすらあるだろう。そんな市井という名の大海にぷくりと生まれたうたかたを掬い上げたい、ぜひ話を聞かせてほしい-そこから実話怪談コンテスト"超‐1"は始まった。そして、ただ集めるだけでなく、その恐怖に順位をつけようという酔狂な試みでもある。今年も全国から集まった怖い話の中でも、これは尋常ではないという話だけを選りすぐった。それでもまだ足りないとばかりに未公開の新ネタも投入。最恐の玉手箱をどうぞ…。