「朝、思いがけず自力で布団の中から這いだし、トイレに立つことが出来た。そして洗面も一人で出来た…」薬の副作用による幻覚に苛まれながら、日ごと肉体から力を奪い取るパーキンソン病と闘った日々。その日一日の一挙手一投足に一喜一憂しながら周囲の人を思いやり、神に祈りを捧げ、長編『銃口』の執筆に情熱を注いだ三年間。三浦文学のファンのみならず、病など苦しみにあるすべての人を勇気づける日記文学の結晶。