ニッポニア・ニッポン-日本を象徴する名を持つ、哀しいまでに美しい鳥・トキ。かつて日本全土に生息し、昭和初期に至っても佐渡には約100羽が生息していたが、今や最後の1羽が飼育されるのみとなった。戦後の混乱期、トキ保護に立ち上がった人々は、手さぐりの生態観察、困難な餌の確保、進展しない保護活動等々、苦闘の日々を辿らねばならなかった。トキを慈しみ、トキと響きあって生きた男たちの足跡を佐渡に追い、「人間」と「自然」の相剋・共生を問う。