「分け入つても分け入つても青い山」漂泊の俳人・山頭火は、行く先ざきから手紙を書いた。旅先では簡便さがなによりなので、利用するのは郵便ハガキが多かった。俳句の背景を雄弁に物語るこれらの書簡を痛して、行乞流転の一生をたどる。