〈神さまへのお供え物=「神饌」にはこんなにいろいろなすがた・かたちがあります〉
〈奈良のお祭りで献じられる「神饌」のかたちに、古代から息づく信仰のすがたを探る〉
奈良県内各地の神社の祭礼で、神前に献じられる「神饌」のさまざまを紹介する一書。県内各地のお祭りには、いまだ古代の気配を残しつつ、今日まで脈々と守り伝えられているものや習わしがたくさんあります。本書ではその祭りの要でもある神饌=神様へのお供えものに焦点をあて、県内の伝統行事をきめ細かく撮影し続けてきた野本暉房氏の写真をふんだんに用いながら、神饌のすがた・かたち、また神饌の製作に関わる人々の活動や、神饌のお下がりをいただく直会(なおらい)の様子などを通じて、それぞれの地に息づく信仰のありようも明らかにしてゆきます。