本書は、サービスという企業活動を問い直し、利益に結びつけるマネジメントについて論考している。サービスこそ、顧客満足度を高め、顧客ロイヤルティを向上させ、その結果、営業利益率を改善し、利益に貢献する。また従業員満足度や従業員ロイヤルティを高める活動である。日本企業に顧客満足と従業員満足を結び付けるマネイジメント・システムを持っている企業はほとんどない。いまだに顧客の利益と従業員の利益(ましてや株主の利益)は一致することはありえないと考えられているようだ。しかし、本書に登場するUSAA、サウスウエスト航空などは、こうしたシステムを構築し、質の高いサービスを提供している。これらサービス・マネジメントの先進事例には学ぶところが大だろう。