「うつかもしれない…」。現代を生きる日本人の多くが、つぶやいた経験をもつ一言。実は、わが国に顕著な"メランコリー親和型うつ病"は、「律儀、几帳面、清潔、真面目、仕事熱心」など、われわれの多くが思い当たるであろう、その心性に深く根ざすものだ。つまり「風土病」と称されるべきものである。本書は、「平凡な良き日本人の生き方」を考察し肯定しつつ、「病」から私たちを救い出すよう試みる、一精神科医の思索の結晶である。