近頃は高尚な芸術とみなされているが、歌舞伎は元来、物語のドラマティックな展開や人情の機微を楽しむエンタテインメントである。その魅力を熟知した筆者が、俳優の特徴やその舞台をヴィヴィッドに紹介しながら、読者を歌舞伎の楽しみへと誘う。本書は、初めて歌舞伎の世界をのぞく人への身近な案内書となるであろう。また、歌舞伎を愛し、その発展を願うがゆえの提言も盛り込まれた貴重な一冊。