台湾では88年初頭に蒋経国総統が死去し、本省出身の李登輝新総統が登場した。また、戒厳令の解除、大陸訪問の規制緩和、野党・民進党の躍進、国民党指導部の世代交代など、大きな転機を迎えている。本書は台湾の歴史の展開を追うことによって現在の変動の底流を見極め、複雑な状況下におかれてきた人々の心を描き、台湾の行方を展望する。