古くから日本人に親しまれてきた観音さまは、人とともに喜怒哀楽の情をあらわす、いわばまだ悟りのきわみにいたらぬ修行途上の仏さま。殺伐とした東京のそこかしこ、そんな風情で、またときに妖艶に、ときにひっそりと慎み深く佇みながら、こちらを見守る観音さまや石仏を巡っての、経惟・日向子の愛の道行き。観音さまひとくちメモ、対談を付す。