• Author矢野宏
  • Publisher講談社
  • ISBN9784062570244
  • Publish Date1994年7月

誤差を科学する / どこまで測っても不正確!?

1989年、JR北上線で、トンネルの天井と列車が接触するという事故が起きた。トンネル完成後の高さ測定で誤差の見積もりを誤ったのである。また1991年、東京地裁で、スピード違反の摘発用レーダーは誤差が大きく信用できないという判決も出ている。このような例を出すまでもなく、私たちの身の回りは「誤差」だらけだ。感覚のような、もともとあいまいなものでさえ、誤差が問題になることがあるのである。今まで、誤差は「偶然のばらつき」と考えられていた。しかし現在、誤差を系統的に考えていくことにより、技術設計全般が変えられるということがわかってきた。まず、「真の値がわからないのに、どうやって誤差を算定するか」ということから、誤差についての考察をはじめよう。

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