近世から近代にかけて、日本海には北海道から佐渡・能登をへて大阪へ至る海上の道があった。鰊〆粕、米、木材などを運ぶこの大動脈の主役「北前船」は、人びとの勇気や気概ものせ、沿岸各地を繋いでいた。海商や船乗りたちの足跡を出身地や寄港地にたどり、海に結びついた暮らし、その豊かでのびやかな文化を再発見する歴史エッセイ。