数え方にもよるが、日本人の名字はなんと三十万種近くにもなるという。こんなに厖大な数の名字がどうしてできたのだろう?その中でも「佐藤さん」「鈴木さん」たちが多いわけは?徳川家康はなぜ「源朝臣家康」なのだろう?身近でありながら疑問だらけの名字のルーツ。古代の「姓」から「名字」が生まれてくる過程を、武家支配と「家」の誕生という中世日本史のダイナミズムにからめて詳述する。