温厚で小柄な紳士ポンド氏には、穏当な筋のとおった談話の最中に奇妙な発言をまじえる癖があった。二人の意見が完全に一致したために片方がもう一人を殺した。背が高すぎるが故に目立たない……など、辻褄の合わないポンド氏の発言が明らかにする不可思議な事件の真相。巨匠自らが逆説集と銘打った、珠玉の短編集。「黙示録の三人の騎者」「博士の意見が一致する時」など全八編を収録。