1929年パリ。私立探偵スタイヴサントは失踪したアメリカ人女性を捜索していた。彼女はピカソら名だたる芸術家と交流し、人気絶頂の写真家マン・レイのモデルをつとめていた。犯罪的行為を繰り広げる芸術家の“芸術的表現としての殺人”を疑う警察。スタイヴサントは“?を見抜く力”を持つ友人の助けを得て死の帝国たるパリの闇へと踏み込んでいく。MWA賞受賞作家が贈る雄編。訳者あとがき=山田久美子