美術界への転身をめざすマーティンは、本を書くため訪れた田舎で、近隣の地主から絵の鑑定を頼まれる。ジョルダーノ、ワウウェルマン-幾枚かが開帳されたあと、持ちだされたのは煤にまみれた板絵だったが、一瞥した彼の脳裏に、これまで見たことのないその絵の正体が閃く。これは巨匠ブリューゲルの未発見の真作ではないのか…?知的興奮と笑いが融け合う、独創的な物語。