1984年初夏、海辺の町で起きた残酷な殺人事件で、ひとりの少女が犯人として断罪された。そして20年が経ち、新たな証拠の出現と私立探偵の調査により、終わったはずの事件が再び動きだす。殺人に至るまでの一年間、少女と周囲の人々が本当は何をして、何をしなかったのか? 過去と現在を行き来する語りが読む者にもたらすのは、“被害者捜し”の趣向、衝撃の真相、そして鮮烈な幕切れ。創元推理文庫が贈る、英国発傑作ミステリ。